皆さん、こんにちは!
前回は「となりのトトロ」の記事でしたが、今回は「千と千尋の神隠し」です。
まず、海外版のタイトル“Sprited away”の意味ですが、「神隠し」です。
”Spirited away”は海外でも人気の映画ですが、どんな英語表現が使われているのか早速見て行きましょう。
ネタバレがありますので、まだ本編をご覧になられていない方はお気を付けください。
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This really is in the middle of nowhere.「やっぱり田舎ね」

新しい街に引っ越してきた千尋の両親と千尋は、車で新居に向かいます。その途中で母親が言ったのが、“This really is in the middle of nowhere.”直訳すると、何もない所の真ん中です。「人里離れた」や「何もない辺鄙な所」という意味です。
It’ll be great, once we get used to it「住めば都だと思うしかないだろ」

何もない辺鄙な所だという母親に、父親が”It’ll be great, once we get used to it”と返します。onceの後ろに、主語と動詞が来ているので接続詞です。「ひとたび~すると」という意味です。”get used to~”は「~に慣れる」です。「ひとたび慣れれば、良くなるよ」と言っています。
こちらのtoは、不定詞ではなく前置詞です。ですので、”get used to”の後ろには、動詞及び動名詞を持ってくるようにしましょう。
ちなみに、「住めば都」には他にも英訳があり、”There is no place like home”「我が家のような場所はない」や”This place will grow on you”「最初は違うかもしれないけど、時間が経てば好きになるよ」のようなgrwo on(好意などがだんだん大きくなってくる)のような句動詞を使った表現があります。
Don’t be afraid, I’m a friend.「怖がるな、私はそなたの味方だ」

千尋に出会ったハクのセリフです。異世界に迷い込み、訳の分からない状況に置かれた千尋に信じてもらうために、ハクが言いました。
敵はenemiesですが、味方はfriendsです。
味方には他にも”ally”という単語があり、「同盟国」や「連合国」という意味でも使われています。

壁ドン、かっこいいですね。
ちなみに壁ドンですが、”pin someone against a wall”などと表現する事もできます。
こちらの動画では、”I put my hand on the wall and then I speak into his ears. It’s usually like a cheesy and dominant type line. Like um, You are going to be my girl, or something like that in Japanese. ”と説明されています。
https://www.youtube.com/watch?v=3KRrwJ6Lnec
壁に手を伸ばします。そして耳元にささやきます。女性を魅惑する男らしい発言をします。例えば、「俺の女になれよ」的な(のを日本語で)
https://www.youtube.com/watch?v=3KRrwJ6Lnec
Unless you eat something from this world, you’ll vanish.「この世界の物を食べないと、そなたは消えてしまう」

異世界の食べ物を食べていない千尋は、消えてしまいそうになります。ハクが嫌がる千尋を説得して、小さな飴のようなものを食べさせようとします。
unlessは、「もし~でなければ」という意味の接続詞です。接続詞の役割は、文章と文章をつなぐ事です。一番短い文章は、主語と動詞から成り立ちます。
“unless you eat something from this world”は、「この世界の物を何か食べなければ」です。”you’ll vanish”のvanishは、「消える」という意味の単語です。よく出てくる単語なので、覚えておきましょう。
Finish what you start. 「手、出すなら終いまれやれ!」

目の前で困っている、まっくろくろすけを助けた千尋。結果、まっくろくろすけは仕事を放棄してしまいました。かまじいに叱咤激励され、千尋は初仕事を最後まできちんと終える事ができました。
関係代名詞の所で学習する、what+主語+動詞は会話でよく使います。”what he said”で、「彼が言った事」です。”what she did”で、「彼女がした事」です。
I couldn’t catch what you said. 「あなたが言った事が聞き取れませんでした」や、Here is what I said.「これが、私の言った事です」のように使えます。
Cut it out.「よしなさいよ、もう」
まっくろくろすけを怒鳴りつけるかまじいを、リンという女中が止めるシーンです。かまじいは、まっくろくろすけとよくケンカしているようで、リンはあきれ顔でした。
「やめて」という表現は、”Stop it!”というのが使われます。英語学習に余力があれば、両方覚えておいていただきたいフレーズです。そんなにたくさん覚えられないよと言う方は、”Stop it”だけで大丈夫です。
“Stop it”の発音は、stopの最後のpとitのiがリンキングします。またitのtは落ちるので、「ストピッ」のように聞こえます。
“Cut it out”の発音は、cutのtとitのiがリンキングします。さらに、itのtとoutのoもリンキングします。「カッティタウト」のように聞こえます。またtがdのように変化し、「カッティダウト」のような発音をする人もいます。
Is that so? 「そうですか?」
千尋を湯婆婆の所まで連れて行くという取引をしたリンが、上司に「臭うぞ。人間臭い」と言われ、「そうですか?」としらばっくれるシーンです。
いつも”Really?”ばかり言われている英語学習者の方、ぜひ”Is that so?”も使ってみましょう。
“Really?”よりも丁寧ですし、肯定的な表現です。”Really?”を多用すると、「マジで?」「マジで??」「マジで???」と言われ続けるようなものです。
子どもっぽく聞こえますので、上手に”Really?”と”Is that so?”を使い分けましょう。
また、”Seriously?”「本気ですか?」という表現もあるので、学習に余力のある方はぜひ使ってみてくださいね。
It’s a bath house, where 8 million gods can rest their weary bones. 「ここは、八百万の神様たちが疲れをいやしに来るお湯屋なんだよ。」

千尋が湯婆婆と対面し、自分を働かせてほしいと売り込むシーンです。
It’s a bath house, where 8 million gods can rest their weary bones. Your parents had some nerve! Gobbling our guest’s food like pigs!
「ここは、八百万の神様たちが疲れをいやしに来るお湯屋なんだよ。それなのにお前の親は、何だい。お客様の食べ物を豚のように食い散らかして」
「お湯屋」は”a bath house”、「八百万の神様」は”8 million gods”, 「疲れを癒す」は”rest one’s weary bones”です。日本語の「骨休め」みたいな感覚ですね。文法は、関係副詞が使われています。
”have some nerve”は、「図々しい」という意味です。
”gobble out”は、「貪り食らう」や「がつがつ食べる」と言う意味の句動詞です。
Better give it your all 「骨身を惜しむなよ」

どうにか湯婆婆と契約し、湯屋で働く事になった千(千尋)ですが、周囲の千への風当たりはとても厳しいものでした。
ハラスメントは早速始まり、リンと千は大湯の掃除を命じられます。カエルのような男性社員に、「骨身を惜しむなよ」と言われます。
英語では、”give it your all.”「お前の全てを注げ」という意味です。こちらのフレーズは、「頑張る」と訳される時があります。
ちなみに日本語の「頑張れ!」というフレーズは、色々な英語訳が存在します。
例えば、“Hang in there.”です。こちらもリンキングするので、発音は「ハンギンゼア」になります。物事がうまく行かない時に、励ましの言葉として、「くじけないで」という意味での「頑張れ」に使えます。
次に、落ち込んでがっくりしている人に対して、“Keep your chin up!”というフレーズが使えます。直訳すると「あごを上にあげなよ」です。
また、「ベスト(最善)を尽くします」という意味で「頑張ります」という場合は、“I’ll do my best.”と言う事もできます。
試合中の選手やチームを応援する時は、“Go! Tigers, go!!”のように叫びましょう。「行け、タイガース!」みたいな感じですね。
沢山ありますが、少しずつ覚えて行きましょう。
Heave! And heave!!「そ~れ、そ~れ」

千の初めてのお客様は、腐れ神だと思われていました。湯婆婆が名のある川の主だと気が付きます。川の主の身体から出ている棘を引き抜くために、湯屋の全員が一致団結しロープを引っ張るシーンあります。その時に使われたのが、”Heave”です。
“heave”意味は、「重い物を持ち上げる」や「ロープやケーブルなどで引き寄せる」です。

こちらは、私も初めて知った動詞だったので紹介させてもらいました。長い間、英語学習していますが、新しい単語や表現に出会うと心が躍ります♪
ジブリ作品が海外でも人気の理由はいくつかありますが、その内の一つが作品を通して自然の美しさが描かれているから、だそうです。
このシーンでは、湯屋にやってきた川の主は腐れ神と誤解されます。川に人間が捨てた自転車や、ゴミや不法投棄された粗大ごみが蓄積したため、川の主は汚れてしまったのです。
最終的に、川の主は千の接客に満足して帰っていきました。
美しい自然を汚す人間の傲慢さが描かれているシーンでもあり、千が初仕事を通して人間的に成長する重要なシーンでもあります。
What if I don’t recognize my parents?「お父さんとお母さん、分からなかったらどうしよう」

豚になってしまった両親を元に戻すため、千は一生懸命働いています。仕事が終わったら、疲れて泥のように眠っていたはず。夢の中で千は、沢山いる豚の中から父母を見つけ出す事ができませんでした。目覚めた千が独り言を言っているシーンです。
”what if”構文の意味は、「もし~だったらどうなるか」です。こちらは、よく使われる構文なのでご存知の方も多いと思います。
名詞や形容詞の形はどうでしょうか?
“a what-if scenario”は、「もしもの話」という意味です。これは、形容詞ですね。
“dealing with what-ifs”「タラレバの扱い」や”How do I stop thinking of what-ifs?”「ああだったら、とか、こうだったらとかを、考えるのをどうしたら止められる?」など。これは、名詞としての使い方ですね。
I know I called you a klutz! I take it back!「千、お前の事どんくさいって言ったけど、取り消すぞ!」

リンが千に言ったセリフです。自分の行動に対して、きちんと責任を取るようになった千の成長が見ものです。湯屋に来たばかりの千からは、想像できないくらい成長しました。
また、千を助けてくれたハクを助けようとする姿にも胸を打たれます。
“a klutz”は、「おっちょこちょいな人」や「どじな人」を指します。似たような形容詞で、”clumsy”という単語もあり、「不器用な」や「ぎこちない」という意味です。
”take it back”は、前言を撤回する時に使います。よく使われるフレーズなので、ぜひ覚えておきましょう。
Once, when I was little, I fell into a river. She (my mom) said they’d drained it and built things on top. 「小さい時、川に落ちた事があるの。その川はもうマンションになって、うめられちゃったんだって」

怪我がよくなったハクは、銭婆の所に千尋を迎えに行きます。帰り道、千尋はハクとどこで出会った事があるのかを思い出します。
”once”は「以前、かって」です。”when I was little”は「私が小さかった時」です。”fall into a river”は「川に落ちる」です。
“drain”は「水を抜く、〔川や水路が土地を〕排水する」という意味です。

溺れた千尋を助けたのがコハクだったなんて、ロマンチックです。
ちなみに、このシーンの続きは以下の通りです。
My real name is Nigihayami Kohakunushi. 「私の本当の名は、ニギハヤミコハクヌシ」
”What a name! Sounds like a god”「すごい名前。神様みたい」What a 名詞で、「なんて○○!」という感嘆文です。sound likeの後ろには名詞か文章が来ます。
“I remember too, how you fell into me as a child. You had dropped your shoe” 「私も思い出した。千尋が私の中に落ちた時の事。靴を拾おうとしたんだよ」過去完了と過去形を使い分ける事で、過去完了の方が先に起きた出来事で、過去形の方が後に起きた出来事であると示唆しています。
”Yes, you carried me to shallow water, Kohaku.”「そう、コハクが私を浅瀬に運んでくれたのね。」”shallow”の意味は、「浅い」という形容詞です。海外のプールは、shallow endとdeep endがあります。前者は「安全な浅瀬側」で、後者は「深い方」です。
“I’m so grateful” 「嬉しい。」happyではなく、gratfulと言っています。千尋がコハクに感謝している気持ちの表れでしょう。
最後のシーンまでお見逃しなく!石像の謎

英語とは関係ありませんが、この石像がラストのシーンで反対を向いています。石像が反対を向いている理由に関してはネットで色々、考察記事も読めますので気になった方は調べてみてくださいね。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
ジブリの作品は海外でも評価が高いので、ぜひ英語学習に取り入れてくださいね。
北米版のDVDを再生するには、リージョンフリーのプレーヤーが必要になります。
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お読みいただき、ありがとうございます。次回は、「ハウルの動く城」をお届けします。
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